2010 年度 社団法人 八女青年会議所
理事長 所信
東 健一郎
1959 年、会員相互の友情を深め、地域に根づいた明るい豊かなまちづくりを
目指し、この地に八女青年会議所が生まれてから50 年が経ちました。常に未来
を見据えた活動に英知と勇気と情熱をもって取り組んでこられた先輩方が積み
重ねてこられた努力と進化のおかげで、私たちは今、新たな歴史への旅をはじ
めることができます。
社会の医者
社会全体を人間にたとえてみます。人間が病気にかかったり怪我をしたりす
るように、私たちが暮らす社会もさまざまな病気や怪我を負います。世界規模
の脅威、テロ・核拡散・民族紛争・環境破壊・気候変動・伝染病・エネルギー
問題…。日本に目を向けてみると、一極集中・人口の過疎化・年金問題・談合・
企業買収・家庭内暴力・いじめ・自殺…。私たちの活動エリアにおいても、市
町村合併・地域防災・ごみ問題・子育て支援・生涯学習・高齢者福祉・農林業
経営の後継者不足・商工業の振興・地域文化の伝承と保全といった課題が浮き彫
りになっています。このような数え切れないほどの病気や怪我を診察・治療し、
健康な体に戻していく総合病院のようなものがJC だと考えます。世界17 万人、
国内3 万8 千人の「医師」たちがさまざまなテーマに取り組み、より良い処方
箋を見つけ出すために絶え間ない努力を続けることによって、先輩方から受け
継がれてきた「明るく豊かな社会の実現」という永遠の目標に挑戦し続けます。
親が変われば 子が変わる
明るい豊かなまちづくりを実現するためには、JC が先頭に立たなくてはなり
ません。しかし家庭の様々な問題を改善するには、私たち一人ひとりが努力し
なくてはなりません。確かに犯罪や絶望に落ち込む若者たちに成功のはしごを
もっと差し伸べる必要がありますが、JC 事業以上に親の役割が大事なのです。
JC はテレビを消して回って、子どもに宿題をやらせることはできません。父親
一人ひとりがもっと責任をもち、子どもたちを、愛情をもって導かなくてはな
らないのです。私たちにはヤングフォーラムという財産があります。地域や学
校の支持と共に継続してきたこの活動には光明を見出すことができます。子ど
もたちの地域での遊び、自然体験、生活体験、社会体験を通した「地縁」の中
での実体験、形のない「無意図的」な教育が、かつての日本には存在しました。
地域を学ぶことはもとより、まちぐるみで学ぶ心を育て、人を育てていく「地
域の教育力」を取り戻す必要があります。
運命と人生
偶然とは必然だと思います。特に人との出逢いは。その時その時で、何かし
ら自分に必要だから、人と出逢うのだと思います。これは必然であり、運命。
運命は変えられません。ですが人生は変えられるのです。その出逢った人は、
自分にとってどう必要なのか、その出逢いをどうするかは人生なのです。人生
は自分の意思決定。だから人生は変えられるのです。つらく苦しい試練は運命
ですが、それを乗り越えるかどうかは人生。歓喜や喜びはそのがんばりに対す
る褒美。挑み乗り越えていく喜びが人生にはあるのです。必然を見逃さず、運
命と上手に付き合っていき、素晴らしい人生を送るためのかけがえのない仲間
たちと出逢った私たちは、共に人間力を磨きあいながら、魅力ある人材を育て
ることが、半世紀に達する運動の歴史に貢献することになります。私たちは未
熟です。未熟なうちは成長するのです。JC は人を作る組織です。あわせて社会
を作っていきます。
運動のプロパガンダ
JC は「広報下手」「PR 不足」とよく言われます。これは運動の本質ではなく、
JC の存在自体のアピールが足りないのではないでしょうか。JC の広報、それは
理念であり、理念に基づいた活動、活動からのJC 運動のプロパガンダが不足し
ているということです。私たちの運動は事業を成功させることではありません。
私たちの一つひとつの活動・運動をマスターベーションにしてはならないので
す。すべてのJC 活動・JC 運動は「明るく豊かな社会の実現」に対し、効率よく
プロパガンダするための手法でなくてはならないのです。情報ネットワーク社
会を上手に泳いでいくなかで最も難しい作業である情報発信。ボタン一つでど
こにでも発信できる時代ですが、その中身はアナログ的な積み上げ作業にかか
っています。発信する段階で、発信元の情報網がきちんと整備されているのか、
古びたガラクタを見せたら、それでおしまいです。足元をしっかり確認して、
広い世界に向けた情報発信に挑戦します。
Go to the JC
2002 年の入会以来、多くの後輩会員が入会してきました。60 名を超える個性
集団の中には、すでにJC の素晴らしさを発見し活躍している会員もたくさんい
ます。しかし、なかなかJC が理解できず、なじめずにいる会員もたくさんいま
す。私がこれまで学んできたことを一年間、さまざまなかたちで伝えていくこ
とが、少しでも長くJC で活動する私の責任ではないかと考えています。自分の
居場所は、何も例会や委員会の中だけではありません。同好会や懇親会、様々
な場面で何かひとつ、自分の居場所を見つけることが出来ると、そこから楽し
いJC ライフがスタートするはずです。ただ、この自分の居場所は、決して他人
から与えられるものではなく、自分で探すものなのです。「Go」それは、たった2
文字の簡単な言葉です。しかし時に素晴らしいことをもたらしてくれます。ふ
としたきっかけで新しい経験に出逢うことができたり、ちょっとした勇気や小
さな思いつきで世界が今までと変わって見えたりします。「JC へ行こう」青年ら
しく前に足を踏み出してみましょう。その一歩で自分の人生は変わると信じて。
長期発展のエネルギー
現在、公益法人は大きな転換期を迎えています。2008 年、新公益法人制度が
施行されました。この公益法人制度改革で、私たちは八女青年会議所を公益認
定を受けた社団法人にするのか、それとも公益認定を受けない一般の社団法人
にするのか選択しなければなりません。もし選択を行わない場合は、みなし解
散制度の適用を受け、LOM は解散となります。しかし、恐れることはありません。
この公益法人制度改革は、あらためて青年会議所活動の原点を見直し、そして、
これからの将来像を考える、良いきっかけになります。ビジョンを持つことは
健全な組織をつくるためのファーストステップです。はっきりとしたビジョン
を持ち、それに向かって進むことによって、組織の成果や改革実現の可能性は
飛躍的に高まるのです。
変革に命を賭けた勤王の志士、中岡慎太郎はかつて、進むべき道に悩む故郷
の後輩にこう語りました。「志とは、目先の貴賤で動かされるようなものではな
い。望むべきは、その先の大いなる道のみである」地域の皆様からJC に寄せら
れる期待と信頼に対して、真摯な活動を絶やすことなく続けることで応え、混
迷する時代に進むべき一筋の道を照らし出しましょう。私たちが汗をかき、心
を耕したその道には草木がたくましく育ち、そのまちでは子どもたちが花を開
かせます。そして、どこかにたどり着きたいと欲するならば、今いる所にはと
どまらないことを私と一緒に決心してください。 |